空気が乾燥し、気温の低くなる時期は様々な感染症が流行します。
特に今年は新型コロナウイルスやインフルエンザなどが同時流行すると予測され、発熱外来等の受診がしにくくなる恐れがあります。さらに年末年始で病院が開いていない可能性もあります。
万が一のためにしっかり備えておきましょう。
*目次*
冬はウイルスによる感染症が流行りやすい時期といわれています。さらに今年は新型コロナ感染症も注意しなければいけません。
<冬に流行る感染症>
♦インフルエンザ、RSウイルスなどの呼吸器感染症
♦ノロウイルス、ロタウイルスなどの感染性胃腸炎
それぞれ原因となるウイルスが違いますが、症状が似ているため特徴や違いなどをまとめました。
どの感染症も「ウイルスを体の中に入れない」ことが一番の予防になります。特に行動制限がなくなった現在、人との接触を避けることはできません。正しい手洗い、自分に合ったマスクを知っておきましょう。
さらに、日頃からしっかり消毒を行うことも有効です。一般的には、消毒エタノールと次亜塩素酸ナトリウムが使われます。
*消毒薬の選び方*
消毒用エタノールの中でも「手指消毒用」と記載がある商品は濃度が60%台のものが多いです。次亜塩素酸ナトリウムはハイターなどの家庭用塩素系漂白洗剤を使用してもかまいせん。
※こちらに記載している使用方法は、一般的な使用方法です。商品によって対応できるウイルスや使用方法が違う場合があります。商品の説明をよく読んでご使用ください。
★風邪のような症状が出たら
38度以上の高熱と共にのどの痛みや倦怠感などを伴う場合は、早めに医療機関を受診しましょう。インフルエンザの可能性があります。インフルエンザだった場合、発熱12時間未満の場合は検査結果が陽性にならないことがあるため、検査は発熱後12時間以上経過してから受けることをおすすめします。さらにインフルエンザだった場合、48時間以内に抗インフルエンザ薬を投与すると早い回復が期待できます。
軽い発熱・症状の場合は、市販薬を使って様子を見るのもよいでしょう。
<備えておくとよいもの>
・解熱鎮痛剤
アセトアミノフェン配合のものを選びましょう。イブプロフェンやロキソプロフェンはインフルエンザ脳症の発症リスクが高まるため、インフルエンザだった場合を考え使用しないようにしましょう。
・スポーツドリンクや経口補水液
発熱による発汗で脱水症状になりやすくなります。体に素早く水分を補給できる、糖分、塩分を適度に含んだスポーツドリンクがおすすめです。発熱とともに嘔吐や下痢などがある場合は適宜経口補水液を利用しましょう。
・ゼリー飲料や栄養ドリンク
のどに痛みがあったり、体がだるいと食事を摂りたくなくなりますよね。風邪などの感染症を早く治すためには食事を摂って栄養補給をすることが大切ですがそれが難しい場合は手軽に栄養補給できるゼリー飲料や栄養ドリンクを活用しましょう。
・抗原定性検査キット
新型コロナ感染症で重症化リスクが低い方が、のどの痛みや発熱などの症状が出た場合は、まずはご自身で検査キットを使って検査しましょう。
<検査キットを使うなら>
〇医療用、一般用 と記載のあるもの
×研究用 と記載のあるもの
検査し、陽性だった場合は医療機関を受診するか、迷った場合は相談窓口に連絡してみましょう。
#7119:救急要請相談
#8000:こども医療相談
★発熱とともに胃腸症状が出たら
感染性胃腸炎の可能性があるので、基本は受診です。下痢止めを使用することでウイルスが体内に残り、症状が長引くことがあります。安易な下痢止めの使用は避けましょう。下痢以外に吐き気や嘔吐、発熱を伴う場合はすぐに受診しましょう。
<備えておくとよいもの>
・スポーツドリンク・経口補水液
下痢や嘔吐が続くと、脱水を起こしやすくなります。脱水予防のため、効率よく水分を補給できるスポーツドリンクを備えておきましょう。脱水症状が起こった場合は、経口補水液を飲みましょう。
*脱水症状の見分け方*
親指の爪を逆の手でつまみ(押し)、離した後に白かった爪の色がピンクに戻るのに3秒以上かかれば脱水症状を起こしている可能性があります。
・使い捨て手袋・ペーパータオル
嘔吐物やおむつを処理するときに使用しましょう。嘔吐物が乾燥する前に手袋をしてペーパータオルで除去します。その後、嘔吐物が付着していた場所を次亜塩素酸ナトリウムの消毒液でふき取ります。処理に利用した手袋などは袋に密閉して破棄しましょう。
どの感染症もかからないことが重要です。基本的な感染対策をしっかり行い、栄養・休養をとりつつ、万が一感染した場合はどのように行動すべきかあらかじめ情報収集しておきましょう。