過敏性腸症候群が気になる方への、お役立ち「食の情報」をご紹介します。
◆便秘の方へ・・・野菜たっぷりカルパッチョ
◆ 下痢の方向け・・・鶏肉と春キャベツの味噌うどん
過敏性腸症候群(IBS)とは、腹痛が最近3ヶ月のなかの1週間につき1日以上、排便頻度の変化、便形状の変化があるときに最も考えられる病気です。
お腹命に関わるわけではありませんが、の痛みや便秘・下痢、またそれによる不安などから日常生活に支障をきたすことが多い病気で、悩まされている方は少なくありません。日本人の約10~20%がこの病気と言われていて、女性に多くみられます。
≪IBSの状態≫
腸には食べ物からの栄養や水分を吸収し、不要なものを排出するという仕事があります。
この仕事は脳がコントロールしていて、脳と腸の間では頻繁に情報交換が行われています。これを脳腸相関といいます。

私たちはストレスを感じると、脳から腸へ向かう神経の信号が強くなり、腸は必要以上に苦しくなりやすくなります。
また、それとは逆で食事内容の情報が腸から脳へ伝わり、痛みを感じる神経が過敏になることで腹痛を感じるようになります。

IBSの方はこれらが強く起こっている状態なのです。その他膨張感や吐き気が起こることもあります。
明らかな原因は今気づいていませんが、ストレスが続いたり、感染性胃腸炎にかかった後などに発症しやすいと言われています。
≪便の分類≫
便の形状と頻度から、IBSは4つのタイプ(便秘型、下痢型、混合型、不可能型)に分かれます。※混合型は、便秘・下痢が同じ頻度でしばらくあります
・ブリストル便形状寸法
●○便秘型の方へ○●
ポイントは、腸への適度な刺激を控えること。 不規則な食事とこまめな水分摂取が大切です。
食物繊維を摂取することで症状の緩和によいとされています。特にオオバコ、ふ小麦すまで症状に有効という報告があります。
●○下痢型の方へ○●
ポイントは、消化の良い食事。おかゆ、柔らかく煮たうどんなどを、少量ずつゆっくり食べましょう。
砂糖などの糖質を多く含む食品を避けた方がよいという報告もあります。
<避けた方がよい糖質>
単糖、砂糖、オリゴ糖、糖アルコール
食品例)
清涼飲料水、おかし、玉ねぎ、ごぼう、キシリトールガム
●○混合型の方へ○●
便秘が辛いときは便秘型の対策を、下痢が辛いときは下痢型の対策を参考にしてください。
●○分類不可能型の方・ガスが気になる方へ○●
食べると症状が悪化するものを把握し、さけましょう。すべてのIBSに言えることですが、プロバイオティクスが有用だと言われています。 ヨーグルトや味噌などの
発酵食品を摂って腸内環境を整えましょう。
参考)過敏性腸症候群診療ガイドライン2020