今回は漢方の考え方で、その3タイプのめまいの原因や食養生をお話していきます。
☆めまい パート2☆
◆めまいのタイプ
◆春は自律神経に関わる「肝」を労わろう!
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◆せりとくずし豆腐のとろみ生姜スープ
前回のお話>>>「めまい~パート1」をご覧ください。
漢方では、人間の生命活動は「気・血・水(き・けつ・すい)」の3つの要素によって成り立っていると考えられています。この「気」「血」「水」のバランスが保たれていれば健康を保つことができるとされています。
めまいは主に「水」がたまり、流れが滞っている状態が原因と考えます。その他にも、「血」や「気」の異常が関係しているめまいもあります。また、五臓でみると、「肝」・「脾」・「腎」が特に関わっています。
*漢方の考え方はこちらをご覧ください⇒⇒東洋医学と体質の考え方
めまいのタイプを分けると
「ぐるぐる」のめまいは『水の巡りが悪くてぽちゃぽちゃ』タイプ
「ふわふわ」のめまいは『ストレスでイライラ』タイプ
「くらっ」とするめまいは『元気がなくてヘロヘロ』タイプ
になります。
①「ぐるぐる」めまい『ぽちゃぽちゃ』タイプ
体内で過剰になった水分が原因のめまいです。
水の巡りが悪いことで体内に悪いものがたまりやすいため、吐き気を伴うことも多く、雨の日に悪化しやすいのが特徴。
そのほか、体や頭が重だるい、むくみ、冷え、もともと胃腸が弱く食べるとすぐもたれる ・下痢をしやすいといった不調も見られます。
お酒や脂っこい高カロリーの食事を好む方に多くみられます。このタイプは、水の巡りをスムーズにして、余分な水分が溜まらないように働く「脾」の働きをサポートする食材を取り入れましょう。
冷たい飲みものの大量摂取や揚げもの、脂っこいものは余分な水分をためこむ原因になるので控えましょう。
②「ふわふわ」めまい『イライラ』タイプ
イライラしたりストレスなどで交感神経が高ぶることで、体の中で熱が発生し、上半身に熱がこもってしまうことが原因のめまいです。体に必要な潤いが不足していると起こりやすくなります。
頭痛や耳鳴りを伴うケースが多いのが特徴。ストレスが多い生活や睡眠不足が続くと、交感神経が高ぶり興奮した状態になるため、怒りっぽい、熱っぽく赤ら顔、血圧が高い、目の充血、不眠、口が苦いなどといった不調も見られます。このタイプは、体の内部にこもった熱をとりながら、自律神経の働きを調整している「肝」の働きをサポートする食材を取り入れましょう。
③「くらっ」とするめまい『ヘロヘロ』タイプ
加齢や貧血などで「気」や「血」が消耗した「気血不足」が主な原因のめまいです。
体のエネルギー源である「気」と、全身に流れて体の栄養となる「血」の不足が原因のめまいで、動くとくらっとする、ふらふらするといっためまいが起こります。胃腸が弱く食欲がない、倦怠感がありやたらと眠い、低血圧、疲れ目、動悸・息切れなどといった不調も見られます。
このタイプは、気と血をチャージしながら、加齢の影響もある方はエネルギーを蓄える「腎」の働きをサポートする食材を取り入れましょう。
いきなり春と言われても、朝晩も寒いし日中も寒いしまだまだ冬を感じますが、暦の上では春が始まります。
五行(詳しくはコチラ⇒⇒東洋医学と体質の考え方)で見ると春は「肝」の働きが乱れやすい季節と考えられています。
「肝」は自律神経に関わっているので、自律神経のバランスが乱れてめまいや耳鳴りなどが起きやすくなるのです。3タイプのめまいのうち特に②の「イライラ」タイプのめまいが起きやすくなります。
春は合わせて「肝」を労わる食材を摂って、イライラを予防しましょう。「肝」を労わる主な食材は五味の「酸味」と、「緑」のものです。